「大企業ほどメンタル不調の従業員数が多い」…ってそんなの当たり前だという話

従業員のメンタルヘルス対策は企業にとっても重要な問題の1つですが、
その問題についてある意味で興味深い調査結果が出ていました。

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/130102/ecd1301021041000-n1.htm

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「過去1年間にメンタルヘルス不調を抱えた労働者がいる」と答えた企業は
回答された企業の中で13.9%らしいのですが、
この調査が全体的にツッコミどころ満載です。

調査結果のソースを見れていないのですが
産経新聞の記事をそのまま信じるとすれば、問題点としては…

◎まず、企業側にしかアンケートを取っていない。
→企業側に「従業員の不調の原因」を聞けば、「従業員に原因がある」という回答が多くなるのは当たり前です。

◎「大企業ほどメンタル不調の従業員数が多い」のは、そもそも従業員が多いのだから(確率論から言って)当たり前。

→「メンタル不調の従業員の”割合”が高かった」という結論ならわかります。
 単純に数が多いか少ないかなんて、そんなこと調べなくてもわかるでしょう…。

◎従業員が多ければ多いほど「メンタル不調の従業員が1人もいない確率」は低くなるのも当たり前。

「従業員300人以上の企業では約8割、1千人以上の企業では9割を超えた」
…と考察されているのですが、1千人以上も社員がいて1人も鬱病社員がいない会社ってどんな会社だ??と思います。

ちょっと数学的な解説になってしまうので興味の無い方は読み飛ばしてもらいたいのですが、

『1人の従業員が鬱病になる確率を1%と仮定して計算』した場合、
「従業員100人の会社」に鬱病社員が1人もいない確率は約36.6% (0.99の100乗)
「従業員300人の会社」に鬱病社員が1人もいない確率は約4.9% (0.99の300乗)
「従業員1000人の会社」に鬱病社員が1人もいない確率は約0.0043% (0.99の1000乗)
です。(あくまで仮定です。)

何が言いたいかというと、従業員1000人の会社で
「鬱病社員が1人もいない」なんて事は(確率的に考えれば)ありえない事なのです。

それなのに「鬱病社員が1人もいない」と回答した会社があったとしたら、
それはむしろ鬱病社員を「見て見ぬふり」をして回答しているか、
鬱になったらすぐに切っているか、どちらかではないかと思ってしまいます。

もしかしたら、社風が素晴らしくて、業績にも不安がなくて、
人間関係などで問題を抱えている社員もいない、
そんな素晴らしい会社も中にはあるのかもしれませんが…。
その素晴らしい会社の名前を是非聞いてみたいところです。

ーー
(そして何より残念なのは、この調査を実施しているのが
 その辺の民間企業ではなく、厚生労働省だということです…。)

調査の是非はさておき、従業員が精神的に病んでしまうことの原因は
本人と企業側、両方に原因があると個人的には考えています。

もちろんある程度、打たれ強さに個人差というものはあります。

しかし、ある企業では全く成果を出せずに病んでいた人間が
他社に移ったら目覚しい活躍をしているという例はいくらもありますし、
転職したら精神的に病むことが無くなったという方は多いです。

厳しい環境に身を置き、自分を鍛える時期があるのも
それはそれで良いことなのですが
どうしても合わない職場に当たってしまった時は
過度に「自分が悪い」と思わず、他の職場を探してみるのも1つの選択肢だと思います。

異業種に転職する場合は一から再スタートするという事でもあり
決して安易な転職を勧めるわけではありませんが、
それで問題が解決したという人がいるのも事実です。

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